第10話 ステージ衣装---1997.6.12.
オルガニストはほとんどの場合、背中向きで演奏、しかも客席からは かなり遠くの位置で弾くことが多く、豆粒のよう、ですから遠くからの そしてスポットライトの中での見栄えを考えて、光沢のある、あるいは 光る素材のものが、自然と多くなってきています。とは言え、光りすぎても 聴衆にとってはうっとおしいでしょうし、私も眩しくては演奏を妨げます。 そのほかもちろん演奏会の内容、会場の大きさなどにも気を使います。 色やデザインも楽器の性格上、優しいものや、可愛らしいものは 不向き。それから当日弾く楽器のケースの色のことも考えます。 また大きな楽器では5段鍵盤までありますから、手が自由に動くことは、 絶対条件です。 我が家のクローゼットに並んでいる衣装は、数は多くはないのですが、 それぞれ思い入れがあり選んだもの。実際、演奏会の間際になって 探すということは時間もないので、とにかく本当に気に入ったものがあれば (これがなかなか無いのですが)即座に買います。時には、まとめて 数着買うことも。買ったものに、スパンコールを付けるなど色々 手を加えたり、時にはもったいないのですがロングドレスを 切ってしまったりすることもあります。 コンサートの後、”衣装が素敵でした!これからも楽しませて下さい”との声 (こういうメールもいただき、ありがとうございます)−−演奏の方は 一体どうだったのかなと思ってしまうこともありますが、とはいえ 嬉しいものです。私もファッショナブルに生きていきたいものです。
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