オルガニスト楽屋話

第107話  スパイシーな国〜トルコ、ギリシャへの旅〜 ---2009.9.16.

かねてからずっと行ってみたいと思っていたイスタンブールへ出かけてきました。 地理的にも文化的にもヨーロッパとアジアの中間にあるこの地域。東西文明の交差点であり、歴史や宗教、 様々な文化が出会い、影響し合い栄えた地域です。 私にとって初めてのイスラムの世界も大変興味深く、異文化を体験してきました。

イスタンブールは祈りの街でした。 突然、大音響で拡声器から呪文のようなものが流れ始めたのです。一体何が起こったのかとびっくりしたのですが、 それはイスラムのお祈り、コーランでした。 早朝はまだ暗い5時半頃に始まります(日の出の時間のようです)。日の出、昼、夕方、日没、その時刻は毎日若干変わり、 日に5、6回、街中に響き渡るのです。

ドーム型の屋根と尖塔をもつ大きなジャミイ(モスク)が街のあちらこちらにあります。 中に入るとその内部は大変美しく息をのみます。繊細な幾何学模様の装飾、 あるいはモザイクや数万枚のイズニックタイルに埋め尽くされ、ステンドグラスの窓からは淡い光が漏れています。 イスラムの建築芸術の美しい世界。そこで信仰深い人々は、祈りを捧げていました。 衣食住と同じように宗教も生活、生きるために必要だという解釈なのですね。 いくつものジャミイを周り歩きました。音楽はありませんが(オルガンももちろんありません)ジャミイに入ると 心が洗われるようで、独特の雰囲気に圧倒されます。

トルコ料理はお肉もお魚も野菜も、ハーブ、香辛料、スパイスを効かせ、大変美味しく、毎食飽くことなくいただきました。 野菜は新鮮で、オリーブ、チーズの種類も多く豊富、それから自給の小麦でつくるというパンもとても美味しかったです。 トルコ料理の本、そしてスパイスもどっさり買い込み、日本に帰って来てからも我が家はトルコ風のお味の食事が続いています。 オリーブとワイン畑がどこまでも続いていましたが、トルコワイン、 これもとてもgood〜!!生産量が少ないため輸出はしていないので知られていませんが、美味しいです。

難しかったのが買い物。値段がついていなくて、交渉なのです〜。当初は物価やものの値段もわからず、交渉なんて無理〜と 買いたいものも買えなかったのですが、数日経ち慣れてくると値段交渉しての買い物もできるように。 安かったのか、高かったのかは?ですが、交渉し希望の値段で買えるということです。

トルコ人は商売熱心なのか、いろんな物、サービスを勧めてきます。岩塩を買って帰りたいと思い、香辛料を売っているお店の人に 「塩はありますか」と尋ねると、お店の中の一人がレジからお金を持って飛び出した。「ちょっと待ってね」、、 お店の人が買いに走ったのです。しばらくして息をきらしながら持って来た塩、、は普通の塩で、「これじゃない〜」。 するとまたその店員さんはさらに遠くの方へと走って行った〜。しばらくするともっと息をきらして別の塩をかかえ買って来たのです。 今度は確かに岩塩。でも、、こんな大きな袋〜!どうしよう〜、親切に走ってくれた店員さんに断れず、 ずっしり重い〜〜お塩をスーツケース入れ持ち帰りました。

そして憧れのエーゲ海へ、クルーズ船に乗り船で5日間かかって島々を廻りました。サントリー二島、ブルーのドーム屋根の教会と白い壁の家々、 高台の街から見下ろすエーゲ海とそこに浮かぶ島々、それは絶景でした。今度はもっとゆっくり滞在したいです。 ロドス島のブルーな海に誘われ〜、海で泳ぐことに。お魚いっぱいの海で泳げたのは最高でした、大満足する私(笑)。 毎日明るい太陽の光を浴び、夕刻になると海に沈む夕焼けを見ながら船の上で過ごした休暇、日頃の疲れもとれ癒されました。

18日間もの長旅、帰ってからは即刻すぐに控えた演奏会の練習です。しかしながら体の軽いこと!そして全てがまた新鮮で 楽しくて、聞こえてくる音もフレッシュで、新しい気持ちで演奏出来る喜びをまた痛感。やっぱり音楽のある世界いいですね、音楽は、 喜びや勇気や希望を与え、豊かにしてくれるものだと思うと同時に、私自身も音楽によって生かされている、音楽に力をもらったり 励まされていることを実感します。職業柄、あるいは職業病でしょうか?、、いつも何をしていても、私の中で、体のどこかで、 音楽、旋律、メロディが流れています、それはそのとき好きな、気に入っている旋律だったりフレーズだったり。みなさんはどうですか?

(写真もアップしました。 こちらでご覧いただけます。)


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