オルガニスト楽屋話

第131話  ボヘミアへの旅〜こぼれ話 ---2011.9.5.

今回の旅はポーランド、ドイツ、チェコの3カ国を出たり入ったり。 数えてみると30回は出入国を繰り返した。その間、パスポートのチェックが来たのはたったの1回。 フライブルク留学時代、電車で1時間のバーゼルへよく出かけたが、ドイツとスイスの国境で 電車は必ずしばらく止まり、両国の検察官にパスポートを見せ念入りなチェックがあった。EU統合でヨーロッパはひとつに、 変わったのだろう。 3日間滞在したドイツの最西に位置し、ポーランドとの国境にある街ゲルリッツでは、川を渡るとポーランド、 監視もチェックも何もなく橋を渡り自由に行き来することが出来た。しかし通貨はそれぞれ違い、 ゾルチ(ポーランド)、コルナ(チェコ)、ユーロ(ドイツ)。3つのお財布を携帯することに。

プラハの街の中での移動はトラムや地下鉄が便利。地下鉄は自転車も乗れる。ラッシュ・アワーでもすいていたから、 東京のように人が多くないことは確かだ。自転車道路も整備されていて快適そう。 レンタル・バイクのお店を見つけた私は自転車を借りることに。体に合ったマウンテン・バイクを選んでくれた。バッグを後ろに付いていた荷台に載せると、 頑丈なチェーンでしっかりと止めつけられ、鍵を渡され、「行ってらっしゃい!」と。これもお国柄かなと。 恐る恐る走り始める。日本よりクッション性のあるマウンテンバイクで、なるほど、これならば石畳の道も難なく走れる。 一方通行と歩行者専用道路が多く、なかなか旧市街から抜け出せなかったが、ようやく現れたヴルタヴァ川(ドイツ語ではモルダウ川)、 そのほとりをサイクリング。すると美しい緑いっぱいのグリーンの中へ。夏の日差しを浴びながら、プチ・プラハ・ライフをエンジョイ。

プラハは様々な建築様式の建物が並び、街ごと美術館のよう。ガラスや可愛い雑貨のお店に見とれてしまうのだが、 目線を上に向けてみると、歴史を感じる素敵な建物が並ぶ。アール・ヌーヴォのカフェやレストラン、ミュシャ (アール・ヌーヴォを代表するチェコのグラフィック・デザイナー)の絵がさりげなく飾られてたり、生活の中に 歴史が感じられるアートがあるのは素敵だ。街を散策、美術館をゆっくり訪ね、芸術の街プラハも満喫。

そして美味しい国。チェコ料理って?・・牛肉、豚肉、ラム、そして鴨などの野鳥、にポテト添え。 ドイツ料理にも似ているが、格段に美味しい。味付けのセンスでしょうか。簡単なレストランに 入っても失敗することなく美味しく、お洒落なお店はお味も盛り付けもまるでフレンチ。 ビールの発祥地だけあってビールは最高、地ビールも美味しかった。

ヴロツワフでの演奏会、そして思い出の街プラハを再び訪ね、2週間の旅の最終日は自分にお疲れ様〜! 沢山の素敵な出会いがあった素晴らしい旅だった。各地で出会った暖かい方々、お世話になった皆様、ありがとう。 美しいアートに触れ、美味しいお味も堪能した旅、ここまで無事にこれたことに感謝し、チェコ料理にワインを傾け、 旅の締めくくりとなりました。


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