オルガニスト楽屋話
第149話 ブクステフーデの街、リューベック ---2012.9.23.
リューネブルクからリューベックへは約30キロ、列車に揺られる。若きバッハはリューベックの聖マリア教会のオルガニスト、
ブクステフーデの演奏を聴きにこの道のりを歩いたという。
またアルンシュタットからリューベックまで、370キロという遠路もブクスステフーデの演奏を聴くために馬車で旅し、
ブクステフーデの音楽と演奏に魅了されたバッハは4週間の休暇の予定を4ヶ月滞在してしまった、
という有名な逸話もあります。
ブクステフーデがオルガニストをしていたマリア教会。有名なバロック・オルガンがあるのがヤコビ教会。
ヤコビ教会へは徒歩3分、マリア教会へは5分の場所にあるホテルを予約。2つの教会へ行くのに便利と思って
決めたものの、2つの名教会に近いと思うと、ドキドキ、気持ちが興奮してしまい熟睡出来ず、、。
この街で迎えた日曜日の朝、近隣の教会の鐘の音が響き渡りました。カリヨンで讃美歌の旋律も。
南ドイツでは聞いたことがないです。この日はヤコビ教会での礼拝に出席。
午後5時から、お祈りとオルガン演奏の時間があり、再びヤコビ教会へ。歴史的なオルガンの響きに包まれ、
至福の時間。
後ろを振り向くと、少し遠く離れた所に小柄な日本人の若い女性が立っているのに気づきました。
お互いしばし見つめ合い、もしかしたら、、と思った瞬間、「先生〜〜!!!!」。それは6年間オルガンをお教えした川勝さちこさん。
信じられないような、衝撃的な再会に驚くのでした。目下ブレーメン芸術大学に留学中の彼女がどうしてリューベックに?。話を聞いてみると、
翌週にこの街で開催されるブクステフーデ・コンクールのリハーサルにブレーメンから来た、、と言うのです。世界は狭いですね☆。
異国の地で、夢と希望を持ち目標に向かって邁進している姿を見ることが出来、実り多き留学生活を祈り別れました。
リューベック、以前訪れたのは28年前でした、ヤコビ教会にこんな美しいフレスコ画があっただろうか、、など、
以前は見えなかったもの、気付かなかったものが見えたり、また違ったものが目に映るものですね。
思いがけない出会いもあったし、再来して良かった!と思う、リューベックの街でした。
(リューベックの写真も合わせてご覧ください。)
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