オルガニスト楽屋話

第176話  桜の季節 ---2014.3.31.

桜の花が一気に開花、我が家の前も満開ですが、日本は桜の木が多いですね、皆様方も各地で美しい桜をお楽しみのことと思います。 (写真は、我が家前の桜)。

明日から新年度スタート、新しい始まりといえば、オペラ歌手として大活躍のソプラノの砂川涼子さん、今、 大きな注目を集めているトランペット奏者のオッタヴィアーノ・クリストフォーリさん(日本フィル客演主席奏者)と “トリオ”を組むことになりました。「敬虔な響き、透き通るような音色」・・このメンバーでトリオ 結成のご発案された内海博子さん((株)オフィス・フォルテ)のお言葉ですが、三人の音楽♪を結集し、 多くの皆様に楽しみ、喜んでいただけるコンサートを展開していきたいと思っています。意気込みに溢れる春です。 最初のコンサートが9月2日午後7時より川口リリアホールで開催されることになりました。 詳細は追って発表させていただきます、多くの皆様のご来場をお待ちしています。



白石キューブでオルガン講座をもっていますが、 第4回目の受講生コンサートも無事終了。私の最年少のお弟子さん (小学6年生で門下入りし、現在中学1年生)、自作のオルガン曲を発表された方、またドヴォルザークの交響曲を ご自身の編曲し演奏された方、バロックからロマン派までのオルガン作品に留まらず、キューブのオルガンを生かし、 また演奏者の個性とタレントを発揮してのコンサートになり、開館し16年、14年間指導を続けてきた成果が実を結んだ ことは大変嬉しいことでした。

川口リリアホール・プロムナード・コンサートの企画では、若いオルガニストが音楽とオルガンへの情熱溢れる演奏を聴かせてくれていますが、 今月演奏していただいたハンブルクで勉学中の福本茉莉さんのフランク“交響的大作”は、私自身も留学中に勉強し演奏した曲であり、 当時を思い出しながら今後の活躍を期待し、大きな拍手を送った私でした。



驚きのニュースは、私がオルガニストを務める大森めぐみ教会の礼拝堂が、耐震検査の結果、耐震性が乏しく、 震度5以上の地震が来た場合、倒壊や損壊の恐れがあるという診断に。礼拝堂の耐震補強は建て替えと 同程度の費用もかかるので、急遽6月末で礼拝堂の使用は中止というのです、余りに突然の驚きの発表。 3・11の地震の際、私は教会にいました。日本にある木造建築としては、類まれな残響と美しい響きを持つ 会堂であり、フランス・バロック様式のオルガンは現在の会堂にマッチし美しく響いています。あの 会堂を再現することは不可能でしょう。そしてオルガンの行方は、、。新しい会堂建設は進むようですが、 新しいオルガンのことも何も決まっていない中の発表です。礼拝は別の場所で行われ、しばらくは礼拝堂で オルガニストがオルガンを練習に使うことは出来るそうですが、現在の響きの美しい、 愛着のあるオルガンを失うのはとても寂しく残念なことです。ヨーロッパでは常に古き良きものを保存する努力が なされています。出来れば保存したいというのが私の気持ちであり、急な建て替え話は気持ちの上で受け入れられません。

元気な母に大腸癌が発覚。自覚症状は全くなかったそうです。幸い転移はなく、 腹腔鏡手術は成功。手術後、お医者様との面談で“現物”を見せられた時には、 流石の私も狼狽えましたが、黒いものかと想像していた癌はピンク色でウニのよう、 腸も活きの良い生肉のようだったことは意外でした。術後の快復も早く、満開の桜の下、元気に退院。 母と見た満開の桜はいつになく綺麗でした。

突発的な出来事の中、オルガンを弾き、仕事に忙しく飛び回った年度末でしたが、明日から桜開花と共に新年度、 また新しい気持ちでスタートです♪


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