オルガニスト楽屋話

第177話  音楽が世界をひとつに@カリニグラード ---2014.5.4.

新緑が美しく爽やかな季節、いかがお過ごしでしょうか。

私は4月28日、29日草津音楽の森国際ホールでのイヴェント出演のため、群馬県草津へ。ゴールデンウィークなので、 車ではなく新幹線で軽井沢まで移動、そこからマネージメント会社の方の運転で約1時間。 軽井沢周辺は桜、桃が満開。山合に咲く白、ピンク、黄色の花々・・ここはまだ春、再びお花見。 白い雪を被った山々、路肩にはまだ雪も残る中、草津へと上がって行きました。

草津温泉街からさらに車で10分、スキー場やゴルフ場が点在する山頂にホールはあります。 夏の音楽祭やアカデミーで有名なこのホール、音楽祭の時期には巡回バスが走るそうですが、普段は 公共の乗り物がない、、というのにはびっくり。移動の度にマネージャーさんが運転してくださいました。
オルガンがあることも知らなかったのですが、ステージ上にイタリア3弾鍵盤の小ぶりな オルガンが設置されていました。
リハーサルに本番、合間には近くを散策し、 春を待つ高原、美しい空気の中で気持ち良く演奏させていただきました。

今回特筆すべきこと・・それはお宿。左下の写真は草津温泉の中央にありシンボルでもある「湯畑」、自然湧出量は日本一だそう。 イタリアの青の洞窟を思わせるような(笑)エメラルド色の湯の滝(写真右)。 硫黄の匂いが立ち込め、湯けむりがあがり、日本情緒に溢れた草津温泉街、 今日はその中の温泉宿に宿泊。
「いらっしゃいませ」、和服の女性に案内された部屋はゆったりとした玄関に続き広〜〜い和室。大きな部屋、床の間に、石庭。障子を開けると次の間が2つ、 トイレも2つ、それにお風呂、通常4〜5名が泊まるような大部屋にポツリとお布団が敷かれている。 仕事で温泉に泊まるというのははじめて。和室に座る、眠るのが苦手な私・・ 温泉でリラックス、そんなモードでもなかったのですが、滅多に経験出来ないであろう、 温泉泊まりの演奏旅行でした。

そんな中、大田区観光国際都市部から“NHK朝の連続TV「花子とアン」縁(ゆかり)の教会でオルガン コンサート”、、という企画のお話が飛び込んできました。 「花子とアン」の主人公、村岡花子さんは、私がオルガニストを務める大森めぐみ教会の会員であり、 村岡花子さんのお誕生日6月21日に向けて、オルガン演奏と朗読の会を、と。文化施設としての 教会、礼拝堂、オルガンを地元の一般の方にも広くご紹介しようという企画。

このコンサートは、6月14日(土曜日)午後3時より、開催されることに決まりました。5月21日号の大田区区報に告知が 掲載され、6月3日(消印有効)まで往復はがきでの応募、抽選で180名様、無料、とのことです。 応募の方法など決まりましたら、 <スケジュール>のページに掲載させていただきます。

教会礼拝堂は6月末日で礼拝、公開の行事での利用を終わりにするという通告を受けた最中。私が長年礼拝奏楽に演奏に、練習し 弾き、愛した礼拝堂&オルガンでの"my last concert"になります。
"Tierce en Tille" 専門的な用語でしょうが、この曲をこんなに美しく弾けるオルガンはない、 それはどのホール、どの教会にもない美しい音色であり、昨日も 弾きながら涙が出そうになりました。 木造建築でありながら類まれな美しい残響を持つ会堂、奇跡です、二度とこの響きは再現出来ないでしょう、 オルガンにとって会堂は“共鳴体”であり、楽器と 会堂は一体、ひとつの楽器です。この楽器&会堂との別れは辛いものであり、この「礼拝堂での私最後の演奏会」に 是非とも足をお運びいただければと思います。

そして今日はソプラノの砂川涼子さん、トランペットのオッタヴィアーノ・クリストフォーリさんと初顔合わせ、 “トリオ”を組むことになった私達とマネージャーさんとで、9月2日川口リリアホールでのコンサートの打ち合わせ。 美しく穏やかで気品溢れる砂川さんと、明るいイタリア人クリストフォーりさんとはイタリア語です〜、 こんな曲を演奏したい、夢に満ちた膨大な曲目リストが出来上がり、その中から9月の演奏曲目が決定。乞うご期待!ですが、 私の前には勉強する曲、譜読みの曲が山積み〜大変です。

6月は母校での演奏会「チェロ&パイプオルガンの調べ」、山梨県 キングスウェルホールでのランチタイム・コンサート、 そして大森めぐみ教会での演奏会を終えた翌々日にスイスツアーへ。沢山の込み入ったスケジュールに向けて、 今年のゴールデン・ウィークはオルガン練習に専念、集中の日々、私に素敵な音楽が与えられていることに感謝!!、ゴールデン・オルガン・ウィークです。





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