オルガニスト楽屋話

第182話  旅の話の続き・・ ---2014.9.1.

8月後半から、急に涼しくなりました。厳しい暑さの夏でしたが、秋へと移りゆくこの季節、寂しい感もあります。 皆様はどんな夏をお過ごしでしたでしょうか。今年の夏は2回渡欧、約1ヶ月日本から離れており、刺激を受け、 またリフレッシュ出来、まだ瞼を閉じるとあちらの景色が浮かびます。帰国後も演奏会に礼拝奏楽などにと、 のんびりしている暇もない毎日でしたが、持ち帰ったチーズ、シュペック(ハムの燻製)、パスタ、ドライトマト、 市場で買った香辛料、、などを使ってお料理し、旅の余韻に浸りながら過ごしています

さて、旅の話の続きを・・。最近、ヨーロッパの教会でのコンサートでも、スクリーンに演奏者の姿を映す ところが増えてきました。チェコ、リトメリーチェでの演奏会、午後早々にリハーサルをして一度宿舎へ戻り 休憩。着替えをして演奏会の時間に教会へ行く。教会に楽屋がないのと、教会と宿舎は近いところにあるからでしょう、 これがヨーロッパでの演奏会本番の日の流れです。
今回もいつものように早目にリハーサルを済まし、演奏会の時間間際にカテドラルへ行き、 オルガンバルコニーへと上がると、会堂前方に大きなスクリーン!・・。私のリハーサル後に誰かが設置したのでしょう。 オルガンの周りにカメラがあるはず、どこにカメラがあるのだろう、見える所には見つかりません、、 演奏中に人が来るのか、人が近くにいたら集中出来るだろうか、、演奏直前に心配が頭を過ぎりました。 主催者から何も聞いていないし、打ち合わせもしていない、カメラチェックもなかったですし、とにかくチェコ語ですから〜、 説明を省略されたのか、、すでにコンサートが始まる時刻であり、すでにお客様が着席している中を、 会堂前まで行くことも出来ません。視力の悪い私には、何が映っているのかもよく見えないのですから、 演奏を始めるしかなかったのです。

幸い、オルガンバルコニーには人は上がらず、集中が乱されることはなかったのですが、ヨーロッパで、 しかもチェコでこのような体験をするとは思いませんでした。最後まで何が映し出されているかもわからず 終わりましたが、何事も経験、次回からは事前に確認の必要ありです。こんなハプニングあっての演奏会でした。

チェコの朝は早いです。8時頃から御婦人方のお買い物は始まり、その代わりか、お店の閉店時間も早く(プラハ以外の街ですが・・)、 夕方4時、5時に閉まってしまうお店も。

チェコ内の移動は鉄道よりバスが便利で速いです。バスターミナルもショッピングセンター内にあって、食事、 お茶、買い物が出来たり、Wifiが完備している所もあり進んでいました。ネットでチケットを予約、購入、座席の指定まで 出来る路線もあり、便利でした。
プラハとチェスキー・クルムロフを結ぶ人気路線は、事前予約しておかないと満席で乗れません。 前日に気づいたので良かったのですが、危うくその日のうちにたどり着けないところでした。 一方、タクシーはないです。駅からホテルまでタクシーと考えていた所で、駅に着いてみるとタクシーがない! 街の中央駅、世界遺産の街でもこんな調子です。徒歩しかない、、仕方なく歩きました〜。

ドイツの鉄道は、私の留学時代と比べ、モダンで綺麗な列車になりましたが、相変わらず車高が高く、 大きなスーツケースを持っての乗り降りは大変。また日本の駅には、列車ごとに止まる位置がホームに書かれていたり、 表示が出ていますが、ドイツの場合はおおよその位置しかわからず、列車がホームに入ってくると、 みな列車番号を見てはホームを小走りで右往左往。とりあえず列車に乗り、発車してから列車内を動く人も。
夏休みのせいか列車は混雑、宅急便の発達がしていないのか、荷物を持つことに苦を感じないのか、大きな荷物を持っての旅行。 通路まで荷物に溢れていて、身動きとれない状況にも。そして定刻に列車が来ない、20〜30分の列車の遅延も頻繁に。 5分遅れるだけでも大騒ぎになる日本とは大違い。
それでも子供が遊ぶことが出来、声を出しても外に聞こえないような配慮がされている広々とした子供同伴専用の スペースが設けられていたり、ゆったりとした室内空間を好むドイツ人だなと思わされる車内は快適でした。

度重ねて訪れている街も、季節によって違う顔を持っています。生活していた頃のドイツと、 旅人として訪ねるドイツも違います。今回のドイツは短い滞在であり、友人や知人にも連絡せず無礼を してしまったのですが、また次回にという気持ちを残して帰途につきました。

優しい人々に出会い美味しかったチェコ、sehr angenehm〜(とても居心地良い)なドイツでした。

そして今は川口がよいが続いています、明日はソプラノの砂川涼子さん、トランペットのオッタヴィアーノ・クリストフォリさん との演奏会、美しい音楽が与えられ、そして素晴らしい仲間に囲まれ音楽出来ます喜びを感じながら明日の演奏会に臨みます。

チェコ、ドイツの写真もご覧下さい。


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