オルガニスト楽屋話

第184話  秋から冬へ ---2014.11.28.

紅葉真っ盛りの京都へ。黄色から赤へのグラジュエーション、永観堂では手に取るように近くに、清水寺では眼下に広がるもみじを、 また源光庵では建築の中に溶け込んだ紅葉を。秋色に染まった京都、日本の古都の秋を楽しんでまいりました。

海外の紅葉も美しいですが、日本の紅葉は繊細であり優美であり、和の文化と共通する格別な美しさがあると思います。 京都の美しさとともに、日本の紅葉、京都の紅葉は、世界に誇れる日本の美ではないでしょうか。

京都の写真もアップしましたので、 ご覧いただけましたら嬉しいです。

そして季節は秋から冬へ・・・今年もクリスマスが近づいてまいりました。どうしてクリスマスの音楽には、 心暖まる美しいメロディーが多いのでしょうか。クリスマスコンサートのために準備が続いていますが、 この季節、私に“音楽”が与えられたことが一層嬉しく感じられ、感謝の気持ちに溢れます。

小学校では器楽合奏部に入り、放課後、鉄筋や木琴で合奏する時間が大好きだった私。 中学校ではオルガンに出会い、早弁をして、昼休みはオルガン練習室に籠もり、 時間いっぱいオルガンを弾いていた私。そしてクリスマス前には学校で歌うクリスマスの 讃美歌をピアノで弾き、家族に聴かせることが喜びだった私。クリスマスの讃美歌はとりわけ美しく、 心を慰めてくれる音楽でした。讃美歌は私の音楽生活、オルガニストの原点であり、 あれから何十年経っても変わらず私の中に宿る心の歌です。

音楽は世界共通の言葉でもあると思います。音楽が与えられ、私に与えられた世界はひとつ増えました。 そしてこの季節、世界のあちこちにいるオルガニストの友人達、オルガン製作携わる友人達、 海外でそして日本各地で弾いているお弟子さん達、、みなに思いを寄せます。

日が暮れるのが早くなり、午後5時なると外は真っ暗。教会での練習には懐中電灯が活躍します、 というより必須。閉鎖になっている私の教会の礼拝堂、オルガニストの立ち入りだけは許されている今、 階段の非常灯も消えています、駐車場も一切の明かりがなく、車まで行き着くにも懐中電灯が必需品。 まるで夜回りさんのようなオルガニストです。

教会の電気といえば、ドイツのある教会でのこと。ガラスケースの中にミイラ(ガイ骨?ご遺体?)が置かれていました。 夜の練習、手探りで電気のスイッチを押すと、そのスイッチはガラスケースのための明かり〜、、衝撃です。 夜の教会での練習にまつわる怖い経験は色々あります。

さて、今年は3回のクリスマス・コンサート、詳しくは スケジュールのページをご覧下さい。クリスマスに 心暖まる音楽をお届けしたいと、お聴きいただけましたら嬉しいです。


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