オルガニスト楽屋話

第20話 ジャケット写真 ---1998.7.6.

演奏会のチラシやCDジャケットも、音楽に付随するもの・・ 視覚的な印象も大切だと私は思うのです。 先日、新しく発売されるCDのジャケット写真の撮影が 行われました。今回は六本木にあるスタジオで。午後1時に入り、 ヘアーメイクを開始。持ち込んだ服の中から、使われる衣装が 決まり、3時頃にはカメラマンの準備も整い撮影開始。順調に進み、 予定通り5時に終了。

10枚目のアルバムですが、ダイジェスト版が あったので、CDのための撮影はこれで9回目ということになります。 毎回の撮影には思い出、秘話があります。 デビューアルバムから振り返ってみることにします。

アランフェス・ファンタジー> 実は屋外での自然光での撮影が予定 されていたのですが、当日はあいにくの雨降り。急きょ、ガラス張りの 外が見えるスタジオでの撮影に変更となりました。初めてのジャケット撮影で、 とっても緊張した私でした。今では信じがたいのですが、ヘアメークも無し ・・でもかえってそれが、自然な私を写したように思います。

バロック・ファンタジー> 私のバックに歪んだ形で写っているのは、 実は武蔵野文化会館のオルガンです。(録音したのは福島市音楽堂の ものですが、演奏台はとても良く似ています)。 オルガンを丸めた板に映して撮影したとのこと、それとスタジオで撮った 私の写真の合成です。

クリスマス・ファンタジー> 真っ白なバック、可愛いクリスマス ツリー、真っ白なスキーパンツ、そして白いブーツ、足元には雪が・・ 借りてきたディオールの白いミンクのコートが気に入ってしまった 私でした。

スペース・ファンタジー> この日の撮影は、床に土がひかれた スタジオでした。動く度に土埃が立ち、まるで砂漠。 私の後ろ、椅子の上に置かれているドライフラワーは、何と私物で、 オランダで買って持ち帰ったものでした。撮影当日、迎えに来てくれた カメラマンが、玄関に飾ってあったこの花を見つけて、スタジオへ 持っていってしまったといういきさつ。 その後、引っ越しの時にこの花は捨ててしまうことになったのですが、 この写真に残っていることが今では嬉しいです。 ジャケット裏の写真・・これはスタジオ撮影後、東京湾に面した所で。 時間が押して、すっかり暗くなり、車のヘッドライトの明かりで撮影。 そこへ小雨が降ってきて・・ 忘れられなく大変な撮影でした。

オペラ・ファンタジー> この衣装は実はドレスではなく、単なる布なのです。 様々な色の布が用意され、それを巻き付ける・・このアイディアはユニークで 楽しかったのですが、形をとどめていないのですから、ちょっと落着かなかったです。 中の写真は、レコーディング最中の休憩時間に、所沢のホールで撮られたもので、 全く普段の姿なのですが、気に入っている写真で、今でもチラシなどによく使ってい ます。

メンデルスゾーン・ファンタジー> この日の衣装は、羽が付いた 私のお気に入りステージ衣装。スタイリストの方が色々持ってきて 下さったのですが、結局採用されたのは、私自前のものでした。 この花は、大好きなカサブランカです。

レコーディングを終えた後には、いつもこのような撮影がありました。 新しいアルバムのジャケット写真も近々ホームページで公開予定・・ どうぞお楽しみに。

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