オルガニスト楽屋話

第208話 天空の秘境へ ---2017.7.28.

中国奥地にある、九寨溝と黄龍へ出かけてきました。演奏会で香港には行ったものの、初めての中国本土。

成田から成都まで飛行機で5時間半、成都は高層でモダンな建物が連立する大都会。 ここからバスで9時間、途中食事や休憩をとりながら、切り立った険しい山の中を走り、遠路、約12時間かかって九寨溝へ到着。

九寨溝は、原生林の中に湖沼が点在しチベット族が住む世界遺産の景勝地。(大袈裟ですが)これまでスイス、 オーストリア、イタリア、フランスなど世界の様々な所で美しい景色、美しい"青"を見てきましたが、 九寨溝のブルーとエメラルドグリーンの小沼を見た瞬間、涙した私です。

それほどに美しい青、光によってはエメラルドグリーン。湖の底まで見える透明な水、周囲の樹木が湖面に映り込む。 息を呑むような美しさ。また万年雪が溶け、勢い良く落ちる滝の水辺ではマイナスイオンを受けながら、自然の中を丸一日かけて歩く。

翌日は黄龍へ。何万年もかかって自然が創り出した奇妙で珍しい景観。透明なブルーとグリーンの水の段々畑。 自然の中、アップダウンのある約5キロの散策路をゆっくり歩く。標高3600mの高地。途中の山越えは4,000m。 酸素の薄い所で、急ぎ足は禁物。幸い使わずに終わりましたが、携帯の、と言ってもかなり大型の酸素ボンベもリュックに背負って。。

ヨーロッパでも日本でも見たことがない地形、中国奥地の自然の美しさと素晴らしさに感動しました。 またそこで暮らす少数民族、チベット族。彼らは高地でラマ教を崇拝し、ヤク、毛の長い高山牛を放牧し暮らしていました。 チベット族の文化も触れることが出来ました。

さらに今回の旅、中国(四川)料理は香辛料、スパイスが効き、お料理の種類も豊富。流石、世界三大料理ですね、 8日間の旅、毎食中華でも飽きない美味しいお味でした。日本で食べている中華料理は日本人向きの中華料理であり、 全く別物であることがわかりました。

赤ちゃんからおばあちゃんまで、何やらみんな元気に動き回っている。家族で賑やかに食卓を囲み、 子供は走り回り、どこでも物売り、商売熱心。ジャスミンの良い香の首飾りを売りに来た腰の曲がったおばあちゃん、 思わず買ってあげたけれど、おばあちゃんの可愛い笑顔は忘れられないです。

大分前の話ですが、私がナヴィゲーター役でドイツでロケし出演した番組、TBS「世界めぐり愛」のディレクターさん、 つまり世界各地を知っている彼が、「中国は面白い」と言ってプライヴェートでは中国への旅を重ねていると話していたことを 思い出しました。

ニーハオトイレ(扉の無いトイレ)、、トイレ事情には全く驚いたけれど!!、こんな美しい景色と出会えるとは。 「九寨溝へ行きたい」と言った母のお陰で、近いけれど縁のなかった国、中国の印象が大きく変わった今回の旅でした。 帰りの飛行機、飛行時間はたったの5時間、ヨーロッパの半分以下の時間で、近いです。Line、Facebook、Google は規制 を受け使えない世界、不便でしたが、そして仕事関係でご迷惑をおかけした皆様すみません、、でも皆様方ももし機会があったら、 そして高地を歩くことが出来たら、是非、中国の自然と文化を楽しめるお勧めの場所です。美しい景色に、美しい音楽に、 心を洗われるような感動、大切ですね。

私が涙するほど感動した美しい景色を写真の ページにアップしましたので、ご覧いただければ幸いです。


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