第225話 森と湖の国、フィンランド演奏旅行 ---2019.8.14.
3度目のフィンランドですが、今回はフィン・エアで成田空港からヘルシンキへ。ムーミンのスーツケース・タグ、 機内で配られるアメリティはマリメッコ、早くも機内からフィニッシュ・モードに。 通常のヨーロッパ諸国より、2時間半も早く着くフィンランドは最も近いヨーロッパ、近いです。
最初に泊まるアパートメントのオーナーさん、イルポさんが空港へ出迎えてくれました。全く見知らぬ人です、、信じられない、、 本当になんて親切なの!、、こうした場面は旅の最初から始まりました。 Kiitos キートス 英語でThank you!ですが、どの位、感謝、有難う、と言ったでしょうか。フィンランド、静かです、 フィンランド人、ムーミンにも似て(余談ですが、体型も、、)静かで穏やかで、そして間違いなく誰もが親切で、優しく、 そしてとても安全な国でした。
実は教会から下った所にある小島、島ごと全体がムーミン・ワールド。あと3公演残されている、そんな余裕があるのか私、と迷いつつも、、、 翌日の午前中、小走りでムーミン家族に会いに!ムーミンの家やムーミンが過ごす谷間が、島の自然をそのまま使って作られています。 リスにも出会いました。フィンランド人の小さな子連れファミリーで賑わうムーミン・ワールド、子どもも大人も笑顔に。 トーベ・ヤンソンが描くムーミンの世界、ムーミンのキャラクターもですが、フィンランドの家や自然、まさにフィンランドです。癒された時間。
しかしその2日後は、一気に14度も気温が下がり、コートが必要な気温に。その後、気温が20度を超えることは滅多になく、朝は10度を切る日も。 暑くてどうしようかと思った日も、フィンランド人はむしろ少ない夏日、太陽の日差しを楽しんでいるようでした。
トゥルクで一番購読されている新聞の取材を受け、一面の大きな記事に。そのせいか、コンサートはこれまでにない集客、プログラムが足りなくなり、困ったとか。 残響が長い大聖堂に、多くの方々からの暖かい拍手の中、2つ目の演奏会は終わりました。主催者や地元のオルガニストの方々と夕食を共にし、 宿泊のアパートメントに戻ったのは夜の11時、ようやく日が落ち、暗くなる頃でした。 翌朝早起きしトゥルク駅へ、音楽祭の主催者の方が送ってくださり、列車で6時間、重いスーツケースを持っての2回乗り換えは大変、、 森と湖がずっと続く車窓を眺めながら、再びクオピオへ。駅からタクシーでホテルへ。チェックインし、すぐに楽譜と オルガンシューズをスーツケースから取り出し、カテドラルへ。深夜までのリハーサル、流石に疲れた一日でしたが、 翌日までに何とか疲れを回復させ、リハーサル、本番。
高台に建つ白亜に石が埋め込まれた美しい教会(左の写真です)、、ここのオルガニスト、アンネさん、女性の方と夕食、美味しいフィンランド料理をいただきながら、
様々な話に盛り上がり、またまた眠りについたのは深夜遅く。 そしていよいよヘルシンキへ。またまた早朝の列車へと駅へ、そこから4時間半。人がいっぱいの中央駅へ到着。日本人の姿も多く、 トラムや車が走り、空気も違う。わあ、久しぶりの都会。
その翌日のリハーサルは2時間のみ。夜の9時から11時。「練習後、教会の扉はどうなっていますか?」と尋ねると、 「夏の夜、教会は夜12時まで開いています。ヴォランティアのスタッフが会堂内に常駐しています。開いていますし、 そのまま帰って大丈夫です。」と。深夜12時まで人がお祈りに来る、、これも白夜の国ですね、驚きました。 そして演奏会当日。リハーサル時間はあるものの、そうは弾けない、疲れてしまう。そこそこのウォーミングアップ程度、 1時間半ほど弾いて、一旦宿舎へ帰り休憩し、本番へ。色々な楽器があります、力を与えてください!と祈るような気分に。
このフィンランドを代表するカテドラルのオルガニストは、著名な作曲家の先生でした。こうしたことは事前によく リサーチしておくべきでした(反省、、)。何も知らず、ハキムや武満、の現代作品を演奏した私でした、、。 しかしながら、私の演奏を大層気に入ってくださったとお褒めの暖かいお言葉。そして驚いたことに、その数日後、 私が宿泊しているアパートメントの住所を探し、作品のいくつかを届けてくださり、献呈してくださいました。 約400曲のオルガン作品があると、オルガン協奏曲も。再び、フィンランドで演奏の機会も与えていただけそうで、 また勉強、目標、夢が広がったヘルシンキ公演でした。 今回訪れた街のオルガン、教会、風景を写真の ページにアップしましたので合わせてご覧いただけましたら嬉しいです。
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