オルガニスト楽屋話

第240話  First Sunday of Advent!!アドヴェントを迎えて ---2021.11.29.

早いものでクリスマスまで4週間、アドヴェント(待降節)に入り、アドヴェント・クランツに蝋燭が1本灯りました。 このところ日本の感染者数は少ない日が続き、この状況が続くことを願うばかりです。 しかしながら、欧米はじめ海外諸国では再び感染が拡大、感染力の強い新規株も出てきたと、まだまだ第6波への懸念は続きます。 抗議デモを起こしたり、ワクチン接種率が伸び悩む欧米諸国に比べると、 日本人は大人しいですね。規則がなくてもほぼ全員マスクをしています、感染対策もきちんとし、マナーも守っている。これは日本人の尊ぶべき国民性だと思います。

いま私の中で流れているのは、"Nun komm,," バッハの3曲のコラール作品です。オルガニストの間では通称"Nun komm,,"と言っていますが、正式には"Nun komm, der Heiden Heiland"(「いざ来ませ、 異邦人の救い主」)、アドヴェントに歌われる有名なコラール(讃美歌)を基にした作品ですが、「ライプチヒ・コラール(18コラール)集」の中に入っている3曲(BWV659、660、661)で、作品番号も連番です。 1曲目のBWV659は、ゆっくりとしたテンポで、静かで美しい装飾コラールで、3曲の中で最もよく演奏されます。2番目のBWV660はトリオ形式、まるでカンタータ作品のようで、 ペダルが活躍します。そして3曲目のBWV661はオルガンプレノ(トゥッティ)で、演奏されペダルにコラール旋律が朗々と歌われる、堂々とした曲です。 昨日の第1アドヴェントの礼拝では、前奏に第3曲のプレノの作品、後奏に第2曲のトリオを弾きました。来週のコンサートでは、第1曲のアダージョを弾きます。
ああ、何て美しく、魅力あふれる素晴らしい曲なんだろう。これもオルガニスト・ワールド、 オルガニストの独りよがりかもしれませんが、この季節にしか弾けない(弾かない)曲でもあり、いまこの曲を演奏できる喜びに満たされるアドヴェントです。

さて、アドヴェントに入り、コンサート、教会での礼拝で弾くために、20曲ほどのアドヴェント、クリスマス、新年に向けての曲を準備中です。 お手作りのクリスマス・クランツ(左上の写真)を食卓の中央に飾り、これからクリスマスに向け4本の蝋燭に灯りをともす日を待ちます。 そしてクリスマス・リース(右の写真)は玄関に、各国で求めたクリッペたちの上に飾りました。 お庭の柊や樅で作ってくださったそうですが、フレッシュな樅の緑と、柊の赤い実は生き生きとまたとても愛らしく、クリスマスを迎える喜びを与えられます。

家の中も、クリッペやクリスマスの人形が並び、ツリーを飾り、、今年は出窓の明かりを少し増やしました。ツリーの灯りは子供の頃からのもので(半世紀も前のもの、、)、 幾つかの電球が切れてしまっているので、新しいものに買い替えようかと思いましたが、店頭に並ぶLEDの灯りよりも目に優しいこの古い電球の光の方が好きで、 買い替えは先延ばしに。

コロナ禍で迎える2回目のクリスマス、世界各地からの人形たちを飾る時、各地の友人たち、お世話になった方々のことに思いを寄せます。 特にいま感染が拡大している地にある、ドイツ、フランス、チェコ、スロヴァキア、雪で覆われたフィンランドではどうしているかな、、と。

数えてみたら、我が家には28のクリッペがありました。上の写真はその一部ですが、左から、スイス、スペイン、ポーランド、ドイツ(ドレスデン)、 オーストリア、チェコ、で買ってきたものです。

さて、以前から愛用してきたiPad mini、239話で「落としそうになりそうで、、」と書きましたが、ついにコンクリートの道路の上に落下させてしまいました。 買い物し、両手に大荷物を持っている中、駐車場で車に乗ろうとした時に、すと〜んと手からすり抜けて落ちてしまいました。 以前も、スロヴァキアのバス停で落として、角に傷か入ってしまったことはありましたが、今回はガシャーン!!ああ、まずい。逆さに落ちたiPad mini、 拾い上げてみると、ガラスのスクリーン画面がグシャグシャ、一面ひび割れ、鳥肌が立つほどの傷。ショック〜〜(涙)

iPhoneがあるし、かろうじて画面は見えるので、このままそーっと使うか、、と半分諦めの心境に。数日が経過。いや、修理して使おう!と思い立ち、 ネットで調べてみると、驚いたことに壊れた(壊してしまった)スマートフォンやiPadの修理業者は星の数あるのですね。渋谷は渋谷ですが普段行かないような場所で、恐る恐る、果たして 直るものかと不安の中、ビルの一室にある修理店を訪れましたが、2時間という短時間で新品のように綺麗に、しかもデータもそのまま消えることもなく。 お陰で、約2年ぶりに訪れた渋谷、その待ち時間にショッピングもすることになり、アンクル・ブーツを買ってしまいました。 まあ、修理代はかかりましたが(正規代理店に頼むよりはずっと安価でした)、「物」は修理をすれば直るものですね。あればやはり便利、また活躍してくれています。 これまで世界各地も友してくれた相棒、これからは大切にするよ!

話は戻りますが、 バッハの作品も、300年程前に作られ、毎年この季節に奏でられてきたわけです。今朝のZDF(ドイツのTVニュース番組)を見ていましたら、 新規株オミクロンが猛威を奮い、国境を閉鎖した、ロックダウンのニュース、そしてドレスデンの聖母教会、そして演奏したオルガンが映っていました。 年末までの全ての公共行事を中止、、とのこと。オルガニストの同僚たち、お世話になった教会関係の方々、クリスマスを前のこの季節に・・心を痛めます。 日本は感染対策をしつつ、まだ礼拝を続けることが出来、幸せかもしれません、私は大森めぐみ教会で、24日のイヴは夜7時の礼拝で奏楽します。
世界中各地、様々な地で今年もアドヴェントを迎えていることでしょう。しかし世界中がまだまだ感染症に悩み苦しんでいる時、どうぞ 苦しみの中にある人にも、世の全ての人に希望を与えられ、心暖かにクリスマスを迎えられるますように祈るばかりです。






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