オルガニスト楽屋話

第33話 新しい年、2000年によせて ---2000.1.1.

明けましておめでとうございます。新しい年、いかがお迎えでしょうか。 私にとって2000年・・忙しさに飛び回っている一年も良いけれど、 今年はじっくりと腰を据え、取り組んでいく年にしたいと思っています。

そんな私に、すみだトリフォニーホールで<3つの演奏会シリーズ>が与えられていることは、大変幸運です。

1) オルガン音楽の世界・・今回は<出会い>と題し、私とオルガンとの出会いについて、音楽にトークを交えて進めていきます。 取材やインタビューで必ず質問される「どうしてオルガンを始めたのですか?」 「その魅力は?」という質問に、演奏とお話しでお答えしたいと思っています。 それが個人的な答えにとどまらず、お聴きいただく方々にとっても、オルガン との新しい出会いにつながり、魅力を知っていただく機会となることを 願ってこのような演奏会が生まれました。

2) 子供のための音楽会・・今回はピアノ、チェンバロ、チェレスタ、シンセサイザーなどをずらりとステージに揃え、 鍵盤楽器の仲間達を紹介しつつ、オルガンを知ってもらおうと考えています。 ゲストに鈴木隆太さんを迎え、贅沢な、これまでにない、楽しい演奏会になりそうです。 大人の方も大歓迎!です。

3) クリスマスコンサート・・恒例のクリスマスコンサート、毎年決まって聴いてくださる方が増えていて、嬉しいことです。 それだけに今年は何を弾こうか・・と、半年ぐらい前から、頭の中はクリスマス。 でも実は私も、これが終らなければ年を越せない・・こんな心境です。

さてこれらの演奏会ですが、かつて私が第1話で書いた<持ち運びの出来ない楽器> という概念を打ち破る、 「私の愛するオルガン」で展開できますことは、まさにオルガニストに とって理想であり、ありがたいことです。

さらには演奏技術や音楽のことに日々時間を費やす私に、最近はコンサートを 支えて下さっている方々、つまり企画、宣伝、ステージの照明、演出・・こうした 方々と接する機会が出来てきたことを嬉しく思っています。 これまで無我夢中に走ってきた時には気が付く、あるいは気を寄せる余裕もなかったの ですが、実は多くの方々の協力で、私が演奏していることを痛感するのです。 感謝しつつ、さらには音楽+α・・で、新しい創造の場を創っていくことも、ひとつの夢です。

また、華やかなステージであったり、時にはスリリングを味わったりする 演奏活動の一方で、教会で弾いたり、大学と白石でのレッスンは私の生活をバランス良く 保ってくれているように思います。

こんな私ですが、また今年もお聴きいただき、応援していただけましたら嬉しいです。

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