オルガニスト楽屋話

第89話  オルガンの未来 ---2007.11.23.

月刊音楽誌『モーストリー・クラシック』の編集部の方から電話が・・「楽器ミュージアム」という連載コーナーで オルガンを取り上げたいと。取材の場所に選ばれたのは、これから年末にかけて演奏会の予定がある東京芸術劇場。 写真は世界でも珍しい“回転するオルガン”(マルク・ガルニエ氏製作)のバロック面です。

オルガンは大きな楽器、また暗い場所にあることも多く、楽器と一緒にいい写真を撮るのはなかなか難しいです。ヴァイオリンやフルートのように楽器を持ってというのは絶対無理(笑)、 楽器全体を写すと、奏者は小さくて見えない〜。 楽器の前でアップにすると、木箱の前に座っているかのような写真に。今回は歩くほどのスペースしかない狭いバルコニー、 しかも手摺りはほとんどない状態、下を見るとひやっとするような場所で、カメラマンの三好さん、斜め角度から上手に撮影してくださいました。

撮影当日、何を着ようかなと。普段の練習はいつもジーンズ、演奏会ではないし、いつもの感じで写真を撮っていただきたいなと 思うものの、何だかオルガンにラフなスタイルは合わないような、、かといってスーツやジャケットなどのかっちりした姿も似合わない。 結局、黒のブラウスとパンツで、、。

記者の方とのお話しは約1時間、オルガンのこと、どうお話したらわかりやすく書いていただけるかな、と思うと 頭の中がぐるぐる回ります。オルガンは歴史が長いこと、製作された年代、国、また製作家により 様式、構造が様々なこと、1台1台異なり同じ楽器はないことなどから、画一的に説明するのは難しいです。 けれでも記者の岡田聖夏さん、とてもわかりやすく、素敵な記事にまとめてくださいました。記事の最後に“オルガンの未来”・・「私達の一生よりもはるかに 寿命の長いこの楽器がずっと大切にされていくには、少しでも多くの人に親しまれる以外にありません」・・まさにこれは私の心からのメッセージであり、 私に与えられている使命だと思っています。
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