オルガニスト楽屋話

第99話  TV番組『みゅーじん』収録楽屋話 ---2008.12.22.

1通のメールがTV番組制作会社から飛び込んできました。TV東京系列の『みゅーじん・音遊人』という オールロケの音楽ドキュメンタリー番組で、「一度お話を伺わせていただきたい」と。 TVを見る習慣のない私は知らない番組でしたが、待ち合わせの約束を。お互いの自宅が徒歩圏内であることが わかり、最初に出会ったのは鵜の木(かなりローカルですね)のドトール・コーヒーでした。その後、新橋の会社で ディレクターさん、プロデューサーさんと面接風な打ち合わせ。私のコンサートスケジュールなどに合わせて「密着」の予定が決まっていき、 約1ヶ月の収録は始まりました。ネットサーフィンでたまたま私のサイトに遭遇、クリスマスに向けてパイプオルガン、、 こういう流れで私の取材が決まったそうです。それにしても私のドキュメンタリーとは、そんな年齢になったのですね。 こうして番組出演は始まりました。

11月16日、大森めぐみ教会での日曜日の礼拝が収録初日に。TVには映りませんでしたが、自宅の駐車場から車で出かけるシーン、 車中、礼拝準備の様子、礼拝・・初めての密着カメラに緊張しました。その翌日17日は、自宅で 朝食シーン。これも映りませんでしたが、毎朝365日同じメニューの我が家の朝食をご披露でした。ちなみに パン、コーヒー、キウイ入りヨーグルトのシンプル・メニューです。その後、マンション内のスポーツクラブで 収録。「潜って映してもいいですか?」最初は冗談だと思っていましたが、ディレクターの今泉さん自ら水中に潜っての撮影! その後、自宅の中学生の時に買ってもらった練習オルガンのところで、それから教会へ移動し練習風景などを撮影。 一日密着でした〜

19日は神戸女学院でレッスンの日。7時に自宅を出て、8時の飛行機に乗り、機内からは一番に降りて待っているタクシーに乗り込む、 そして休憩なしでのレッスン、「密着は難しいのでは、、」とお断りするほどのタイトなスケジュール。 それでもカメラは密着してきました〜、そして6名のレッスンを収録。私はその後帰途につきましたが、 今泉さんは神戸の街を収録に。

22日、新潟公演のために新潟入り。新幹線の降りるところからカメラが一緒でした。 タクシーに乗りホールへ、タクシーの運転手さんにチラシを出すシーンのはその途中でのこと。 そしてコンサートの準備の音色つくり(レジストレーション)の時もずっとカメラが横に。 オルガンの話はそうしたリハーサルの合間に撮ったものです。そして本番。演出の方、カメラのスタッフが東京から新潟に入り、収録チームも大所帯に。 パイプの陰に3人のカメラマンが潜み、そのほか2台の無人カメラ、合計5台のカメラが私のすぐ近くに!遠くからももちろん撮影。 “ライブの演奏”“録音”には慣れているのですが、“カメラ”がすぐ近くにある、、というシチュエーションは どうも不慣れで緊張しました。演奏会後、楽屋で収録、カメラに見送られホールを後に。 演奏会と収録の疲れか、新幹線の車中東京駅まで気を失ったかのように深い眠りにつきながら帰途につきました。

12月5日、この日は翌日の公演のために白石へ向かう日。ところがこれまでの疲労、前日のカザルスホールでの公演 の疲れが重なったのか(泳ぐ時間がとれなかったこともあってでしょう、、)経験したことないようなひどい腰痛で足が上がらないまでに、、 予定の新幹線を1便遅らせ、近所のマッサージに立ち寄り東京駅へ。 「こんな重い荷物を持って、これから新幹線とは腰に悪いです」と言われる言葉を振り切り白石へ。 翌日6日は白石ホワイトキューでのコンサートを収録。前日の夜からカメラの設置作業が。 今回はステージの上には人があがれないために無人カメラです。演奏台の鍵盤の横と、足の動きを撮るためにペダルの所に、、 小さくて高性能なカメラがあるのですね。会場内には数名のカメラマンが。ソプラノの幸田浩子さんとの ジョイント、音楽する幸せ〜な時間、姿、表情をカメラは撮らえていましたね。帰り際には雪もチラチラと。

12月8日、教会で大森めぐみ幼稚園の園児、そしてご父兄のためにミニ・コンサートを 開きました。またまた大所帯のカメラチームが登場、今回は高低差があるためか上下するクレーン車のようなカメラも礼拝堂に入りました。 オルガンにスポットライトも。 愛らしい可愛い笑顔の小さなお客様のために、「ホワイト・クリスマス」や「恋人がサンタクロース」など 普段教会では弾かないような曲を演奏。その合間にコメント、それからサインを・・これで収録は終わりました。

収録スタッフのほかに、お会いすることはなかったのですが、プロデューサーさん、放送作家の方、 などなど多くの方々が会議を重ねられたり、熱心に動いてくださっていたこと、 収録の度にその様子が伝わってきました。ナレーションの方、スポンサーの方々にも感謝です。 カメラを可能な限り回し続け追い求めてくるディレクターの今泉さん、そして細かな気配りをしてくださったアシスタントの中村さん、 放映までの約1ヶ月半、大変お世話になりありがとうございました!左の写真は最後の収録後に教会の前で。右からディレクター、そして 密着の時のカメラマンの今泉哲也さん、アシスタントプロデューサーの山下仁志さん、アシスタントの中村祥子さん、そして私。 たくさん収録した映像からの編集はさぞかし大変だったと思います。演奏台のこと、音作り、オルガンの内部など、、 普段会場にいらしてくださっている方々にも見えないこと、知らないことを紹介してくださり「素晴らしい番組だった」という声も早速に。 コンサートとはまた違った角度から皆様方にメッセージが届けられ、幸いな機会でした。 取材の折に協力してくださいましたホール関係者、牧師先生、園長先生はじめ教会、幼稚園の皆様、そしてオアフクラブのスタッフの方々にも お礼を申しあげます。演奏会やリハーサルで立て込んでいる季節に、子供の頃、留学時代の写真を探したりで家の中はグシャグシャに、 そこへきて自宅で撮影〜カメラが来るというので家を片付けたり、、、思いがけない用事がたくさん 飛び込んできて、正直ギブアップしそうな私でしたが、いま皆様からお寄せいただく反響を嬉しく思っています。


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