オルガニスト楽屋話

第247話  Halloween Week ハロウィンに寄せて ---2022.10.30.

急に秋も深まり、東京の木々も秋色に色付き始めました。コロナの感染の心配はまだある中ですが、3年ぶりに少しずつ元の日常に戻りつつあります。

10月31日は宗教改革記念日、マルティン・ルターが中部ドイツにあるヴィッテンベルク城の教会の壁に「95か条の論題」を張り出し、宗教改革を始めた日、 プロテスタント教会が生まれた日です。ルターは聖書をドイツ語に訳し、また歌いやすいようにドイツ語で歌詞を付けた讃美歌(コラール)を作曲しました。 オルガニストにとって、ルターの存在は大きいです。 「神はわがやぐら」はルターが作った最も有名な讃美歌ですが、宗教改革記念日に近い日曜日、つまり今日はこの讃美歌を使ったコラール作品がよく演奏されます。 私も今日の礼拝で弾いてきました。

このようにキリスト教会では重要な日ですが、10月31日はハロウィンでもあります。クリスマス前のひとつのイヴェントとして、 街はカボチャやお化けのハロウィン・グッズ、オレンジ色で賑わいます。ハロウィンはもともとケルト人のお祭りで、 キリスト教とは全く無関係ですが、全く関係のないこの2つの行事が同じ日というのは偶然だと思います、毎年同じ日です。

そういう訳で、日曜日の今日、礼拝では「神はわがやぐら」を奏楽し、今週はフラで またお料理でハロウィンを楽しみました。かぼちゃはビタミン豊富で、スープ、グラタンなど様々なお料理で。
右の写真は我が家のピアノの前で、着ているのはお友達からいただいた演奏会用ではありません、フラ・ドレス。ドレスの裾が揺れて踊りやすい、そして 先生にも「上手に見える」と言われ、楽しみも倍増な私(笑)。

ご心配いただきました右手中指、演奏出来るまでに治りました。怪我をしてから数日、4本指で生活をしていたら、 最初は中指も動いてしまっていたのですが、そのうち4本でも弾けるように。健常な時はこんな手では「弾けない」としか思いませんが、 いざ1本の指が使えないとなると、ちゃーんと他の4本が動いて助けてくれる、この人間の本能には自分でも驚きました。 そして自分で言うのもおかしいですが私の指の器用なこと、4本でも弾けるし、指が器用に頑張ってくれるのです。もちろん超絶技巧的な動きや レーガーのように5本指で押さえなければならない和声は無理ですが、普通の曲は「弾ける」のです。でも流石にお仕事としては申し訳なく、演奏会、礼拝、ご葬儀、、お断りしました。

逆に今は、体の力も抜け、一音一音に優しく、より大切にかかわれる様になったような気がします。音楽する喜びを再び取り戻し、 これからクリスマスに向けての準備も始まりました。

私の日頃のスピーディな動きと生活に反省し、ゆっくり丁寧に、を心がけていますが、やはり指が治れば急ぐし速い。 つまり出来るだけ早く用事を片付けて、出来るだけ沢山の時間を好きなこと、オルガンの時間に充てたい、というのが、 もう本当に体に染みついているのですね。この生活が数十年?ですから。でもこれからは注意して過ごすことを心がけます。

ハロウィンは秋から冬への変わり目、また新しい季節を楽しみ、過ごしてまいりましょう。






Index